
長年培ってきた技術力や現場力には自信がある。実際、既存顧客からの評価も悪くない。
それなのに、新規の問い合わせは増えない。名刺交換をしても手応えが薄く、ホームページを見た人からも「結局何の会社なのか分からない」と言われてしまう。
そんな違和感を抱えながらも、原因がはっきりせず手を打てていない企業は少なくありません。
「デザインの問題」だと思ってしまいがちな落とし穴
名刺やホームページの印象がバラバラだと、多くの経営者は「デザインが古いから」「制作会社が違うから」と考えがちです。
確かに表面的な統一感の欠如は目につきやすいポイントです。しかし、問題の本質はそこではありません。
根本的な原因は、自社の強みや価値が言語化されていないことにあります。 「何ができる会社なのか」は語れても、「なぜ選ばれるのか」「どんな価値を提供しているのか」が整理されていないと、アウトプットは必ずブレます。
技術力が高い会社ほど起こりやすい矛盾
技術力に自信がある会社ほど、「分かる人には分かる」「実績を見れば伝わる」と考えがちです。
その結果、
- 名刺は担当者ごとの好み
- ホームページはサービス紹介の寄せ集め
- 会社案内は過去の資料の継ぎはぎ
といった状態になり、社内でも「ウチの売りは何か」と聞かれると、人によって答えが違う状況が生まれます。
これでは、どれだけ優れた技術を持っていても、外部には断片的にしか伝わりません。
伝わらない強みは「存在しない」のと同じ
顧客や取引先は、短い時間で会社を判断します。
名刺、ホームページ、資料、それぞれから受け取る印象が一致していなければ、「よく分からない会社」という評価で終わってしまいます。
これは技術力が低いからではなく、強みを一貫したメッセージに落とし込めていないことが原因です。
どれか一つを改善しても、全体の軸がなければ、また別のところでズレが生じます。
バラバラな発信を生む「軸の不在」
名刺もホームページも、結局は「会社の考え方」を外に出すための道具です。
その土台となる考え方が整理されていなければ、表現が揃わないのは当然とも言えます。
- どんな想いでこの事業を続けているのか
- どんな顧客に、どんな価値を届けたいのか
- 他社と何が決定的に違うのか これが曖昧なままでは、制作物は“その場しのぎ”になり、積み重ねが効かなくなります。
解決の起点は「MVV」による価値の言語化
この問題を根本から解決するには、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を明確にし、自社の価値を言葉で定義することが不可欠です。
- ミッション:なぜこの会社は存在しているのか
- ビジョン:どんな未来を目指しているのか
- バリュー:強みをどう活かし、どう判断するのか
これらが整理されることで、「何を伝え、何を伝えないか」の判断基準が生まれます。
名刺もホームページも、単なるデザインではなく、同じ軸から派生した“メッセージ”として統一されていくのです。
まとめ
技術力があるのに強みが伝わらないのは、能力の問題ではありません。
自社の価値が整理されないまま発信していることが原因です。
MVVによって軸を定めることで、名刺・ホームページ・資料は自然と一貫性を持ち、会社としての輪郭がはっきりしてきます。 「ウチは何の会社か」「なぜ選ばれるのか」を迷わず語れる状態をつくることが、技術力を正しく評価してもらう第一歩なのです。